京都の住まいに欠かせない坪庭の写真集

京町屋は、制限が多い都市の家でありながら、蒸し暑い夏を涼しく過ごす工夫が沢山凝らされた住まいです。特に家の表や奥にある坪庭は、夏を涼しく過ごすのに欠かせない重要な場所です。平安時代の貴族の住まいから発展した京都の庭は、江戸時代には町屋に合わせた機能的でコンパクトな坪庭に変化しました。京町屋の坪庭は、小さい中にも独特の美意識が感じられます。特に夏は、眺めているだけで涼しさを感じます。
しかし地方に住む私は、なかなか京都へ行くことが出来ません。そこで、京町屋の坪庭が沢山載っている写真集を購入しました。夏になると必ずと言って良いほど眺める写真集です。暑い日に眺めると、気分的にちょっと涼しくなるのです。町屋の庭は建物の表からは想像もつかないほど、奥行きと広がりのある庭が存在しています。
私がよく眺める写真の一つは、某一般家庭の庭です。敷地は決して広くはないのですが、小さな滝と水の流れがあります。手前の石は大きく、奥の石は小さくするという遠近法を用いて、庭に奥行きが生まれています。水は地下水なので澄んでおり、流れとともに清涼感を醸し出しています。暑い日にこの写真を眺めると、一瞬水辺にいるような感覚になり、わずかの間でも暑さを忘れるのです。今も人が住んでいる町屋は、非公開のことが多いです。滝の庭を持つこの家も、やはり非公開です。しかし写真ならいつでも眺めることが出来ます。今年もまた写真集を眺めて、暑さをしのごうと思います。
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